慢性副鼻腔炎

内容

副鼻腔の炎症が2、3ヶ月以上続くと慢性症状とみなします。頻繁に風邪をひいたり鼻や喉の炎症を繰り返していく内に慢性化してしまうことがあります。
他にも偏食、環境、アレルギーなどの体質などが考えられます。体質は遺伝的な要素を多く含みますから親や親族にこの病気があると罹り易くなりますのでひとつの目安になります。

症状

急性の場合と違って鼻の奥に激痛や鈍痛などを生じることはあまりありません。
主に充血や腫れ、鼻閉(びへい[鼻づまり])や鼻汁で、特に鼻汁は黄色や黄緑色の粘性のもので鼻をかんでもすっきりしないものです。それで強くかみ過ぎて頭痛を生じることもあります。
また嗅覚の低下も一般的に起こります。鼻汁が喉に回ると不快感が増してきますし、細菌の影響で気管支炎をも起こしてしまうこともあります。不快感が強まると仕事や勉強の際の集中力の妨げになり得ますが、この病気そのものがその機能を妨げることは普通はありません。あくまでも精神的、心理的な問題です。

治療法

原則として3ヶ月以上の抗生物質、粘液溶解剤などの内服が必要です。長期間の内服が必要となる場合は、主にマクロライド系と呼ばれる抗生物質の長期間少量投与治療を行ないます。(耳鼻咽喉科で広く行なわれている治療法で、長期間の内服でも比較的安全です。)
治療の終了は症状の改善、消失により判断します。お鼻の処置や内服治療でなかなか治らない場合は手術も検討します。

患者様に知っていただきたいこと

慢性になった副鼻腔炎は「もう治らない」と考えている方もおられますが、決してそうではありません。時代が変遷するにつれて、薬剤の質も変化し、とても治療に対して完治がしやすい病気だと当院では考えております。実際、放置していたことによる起きる嗅覚低下や慢性気管支炎のつらい時期を経験された患者様は、治療と真摯に向き合って加療した場合、効果を実感されるのが事実です。