滲出性中耳炎

滲出性中耳炎の治療方針

滲出性中耳炎とは、多くは小学生までの小児に見られるしっかんですが、成人にも、見られます。
原因は急性中耳炎の後に、中耳に分泌物が残り続けたり、、また、耳管の腫れや炎症が残り発生したり、また、風邪や鼻の病気が続き、はなすすりや、鼻の奥に鼻水が溜まったり、鼻の奥のアデノイドという組織が、大きく腫れていたりして、耳管の働きができなくなって、起こります。

鼓膜の裏の中耳には、普段は空気で満たされていますが、分泌液で、鼓膜がうまく動かなくなったり、耳管から、スムースに空気が入ってこなく、鼓膜がぺこんと、へこんでしまい、聞こえにくくなって、しまいます。
聞こえは人の声がくぐもった感じに聞こえたり、膜が張った感じの聞こえにくさが多いです。

診断法としては、顕微鏡などで、鼓膜観察すると、鼓膜の裏に滲出液が、見え鼓膜はぺこんとへこんで見えます。また、聴力検査で多くは軽度の難聴が分かり、鼓膜の可動性を調べるテインパンノメトリ検査を、行っています。

さて治療法ですが、聴力検査で、ごく軽度の聴力低下であれば、鼻のネブライザー療法のみで耳管近くの状態良くして、治る場合もあります。また、内服を使い、耳管近くの鼻の状態を良くしたり、お薬で、粘膜溶解剤やマクロライド系の抗菌剤などを、少量服用していただいたりするだけで、治る場合もあります。
ただし聴力がよくなかったり、違和感を感じるばあいは、小児では、耳管に空気が入りやすくなるよう、「ガッコ」と言ってもらい、鼻入口から。空気を送る耳管通気療法や、大人では直接、鼻の奥の耳管口に空気よ送る方法をとります。頻回に行ったほうが効果は高いとおもいます。

以上の、治療法でも2~3カ月かかっても、聴力の改善が、低いばあいは、鼓膜切開や、鼓膜にチューブを挿入する場合もあります。チューブは、もう再び滲出液が溜まらないだろうと判断した場合にぬきますが、小児では、1年以上は抜かないことが多いです。抜去あとは、ほとんどの場合はきれいに閉鎖するので、心配はあまりありません。

最後になりましたが、滲出性中耳炎とよく似た症状の疾患で、好酸球性中耳炎という、病気が、たまに成人で見られます。治療法は、鼻の治療、耳管通気法、鼓膜切開やチューブ留置術です。
鼓膜切開では、ニカワ状の分泌物が見られ丹念に取り除きます。成人型の気管支喘息や好酸球性副鼻腔炎を合併し、中耳粘膜からは好酸球が多く出てきます。耳鳴りを感じたりして、内耳にも影響を与える中耳炎です。当院では、多くは、通気療法だけではなく、鼓膜切開、チューブ留置術をすすめますが、ステロイド剤が効くため内服や局所に、つかいます。