難聴とは「聴こえにくい」状態を指します。
しばしば、「難聴とおっしゃいますが聞こえているんですよ」と怪訝そうにする患者さんがいらっしゃいます。「難聴」という言葉を、「全く聞こえない『病気』」と誤って認識されている場合が少なくないようです。
現在聴力が障害されている(=難聴)のか、それが治るのか否か、進行するものか、ということが重要なのです。
病気の種類としては
中耳を含めて外耳、中耳までの病気で起こる難聴です。伝音難聴は慢性中耳炎や滲出性中耳炎など主に中耳の疾患でみられます。
内耳から中枢の病気で起こる難聴です。感音難聴は突発性難聴や老人性難聴や騒音性難聴、メニエール病などの内耳の病気や聴神経腫瘍などの中枢の病気でみられます。
伝音性難聴と感音性難聴の双方の原因が合わさった難聴です。老人性難聴は多くの場合 混合性難聴で、どちらの度合いが強いかは人それぞれにより大きく異なります。
突発性難聴は、
という3つの特徴を持つ症状です。
原因は現時点ではよくわかっていませんが、最近の研究では聴こえの神経への血流障害やウイルスによる障害であると考える説が有力です。
突然聴こえが悪くなったり、場合によっては耳がふさがった様な感じ(耳閉感)を引き起こします。また、耳鳴りやめまいが伴うことがあります。
軽いケースで、発症から数日の場合はビタミン剤や循環改善剤を投与して様子をみます。
それでも改善しない、もしくは症状が悪化する場合は内服ステロイド薬やビタミン剤や循環回復治療を行ない、状況に応じて点滴を併用する場合があります。
症状によっては病院に紹介して、高圧酸素治療を行う場合があります。
いずれにしても、突発性難聴は早めの治療が重要です。突然の難聴を発症した場合は速やかに耳鼻咽喉科を受診してください。
この病気は急に内耳に難聴をきたす病気の総称です。その中には突発性難聴や急性音響外傷、ダイビングや強いくしゃみなどで発生する外リンパ瘻、メニエール病の一部の方、聴神経腫瘍、急性低音障害型難聴などが含まれます。
これらの疾患は症状があらわれ始めてから、早い段階で治療方針を決定し、早期の鑑別が重要です。